その4


○3月14日:ホワイトデー(言わずもがな)
 →驚き!オフィシャルサイト
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050313-00000005-sph-ent 日本映画の恥さらし



「ぽんに会える〜」と書いてあった。


・・・だから、式の日くらいは、大人しくしとけ、っての(笑
 →くらい?(笑




そう思い「式の日くらいは大人しく、しおらしくしておきなよ(笑」
と返信した。




やれやれ。
本当に挙式前日なのかよ。


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N子とのメールを終えた後、一緒に披露宴に行くY子から電話があった。






「なぁ、ぽん。挙式にも参加せぇへん?」
Y子の一言に、僕は少し驚いた。


挙式への参加は、僕の想定外だった。
別に参加するのは構わなかったが、ちっとも考えていなかったのだ。




「別に構わないけど、行く?」
「うん、行きたい」
「おっけ、じゃぁ1時間くらい早く行こう」




そう約束をし、電話を切った。






挙式か。
考えてみれば、友達の披露宴には参加したことがあるが
挙式となると、親戚のしか参加したコトがなかった。




ヨメさんには「友達の披露宴」としか言ってなかったから
誰のに行くかは伝えていなかった。


これで挙式にも行くと言ったら、どんな顔をするのだろう。




よほど親しくなければ挙式には出ない。
そう考える筈だった。


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「明日、何時に出るの?」
夕飯を食べながらヨメさんは聞いてきた。
当然の質問だった。




「んっと、10時には出るかな」
「早くない?」
・・・当然の質問だった。


「うん、友達と話してたら、挙式にも行く事になったの」
「ふーん・・・」




あぁ、なーんか怪訝な顔してるよ、コイツ・・・




「・・・行って大丈夫なの?」






・・・・・・・当然?の質問だった








「うん、別に問題ないよ」
僕はそう答えるのが精一杯だった。




別に正直に答えても良かったのだ。




N子の披露宴で挙式なんだ、と。
ヨメさんが嫌ってる相手が結婚するんだ、と。
挙式にも出るんだから、僕は祝いに行くんだ、と。
だからいちいち怪訝な顔をする必要も無いんだ、と。




でも僕は何も言わなかった。




言うのが正しいのか、言わないのが正しいのか
僕には判断が付かなかった。


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挙式当日、Y子はゴージャスなドレスでやってきた。
僕はお気に入りのスーツを着ていたが




「ぽんー、その色、妖しいって(笑」
と笑っていた。




でも僕としては
フォーマルで行くよりは、自分が一番気に入っているスーツで参加したかった。
それがせめてもの手向けだと思っていた。
つまり正装ではなく、盛装したかったのだ。




「でもさー、二人で歩いてるとハデだよねー」
Y子は歩きながらそう言ってきた。




確かにその通りだった。
僕のスーツはかなり裏街的だし、Y子のドレスもかなり夜蝶的だったのだ。




「まぁ良いんじゃない? ハデなのが居てもさ」
僕はそう言ってY子を見た。




個人的な感情を言えば、盛装したY子と歩くのはなかなか気分が良い。




なんと言っても
日本最大級のミスコンでベスト20に入った経歴がある位なのだ。
 →マジで


普段着のY子と歩くコトはあっても、盛装なんて滅多にない。
でもそんなコトをいちいち鼻に掛けるトコロが無いのがY子の良い部分だ。


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式場に着くと、挙式開始時間を少し廻っていた。
僕とY子は急ぎ足で会場に向かい、扉を開けた。