その6

○3月28日:シルクロードの日(1900年)
 →シルクロードの古代都市・楼蘭が発見される

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http://www.shufu.co.jp/magazine/nikita/ 今月号も面白過ぎ



「で、何処まで話したっけ、彼の事」


キスをしてから何週間か経ったある日
僕はE美と夕飯を食べていた。




「んとね、カラオケでいちゃいちゃしてきた、って辺りまで」
僕は、梅肉を挟みシソの葉で巻いて焼いたササミに、七味を振りかけながら答えた。




「そうそう、それ。ホテル行こうって言われたんだけど、イヤでね」
そう言いながらE美はカクテルに口を付けた。




「それでまたカラオケ?」
「うん。芸がないよね(笑」


E美は、例の釣り上げた彼と「出掛けはするがナニもしない」
という関係を続け、焦らして楽しんでいるようだった。




「芸が無いっつーか、仕方ないんじゃない?連れ込めないんだし(笑」
僕は笑いながらそう言った。
彼としてみれば、棚ボタの相手がなかなかカラダを許さないのが
じれったく、それでカラオケに誘っているのは見え見えだった。


「まぁねー。でもね、別にしたいと思わないのよ、彼と」
自分から釣り上げておいて、なかなかヒドい言いようだった。




「なんで?」
「だってさ、ヘタそうなんだもん(笑)。体育会系にありがちなオレ様系だろうし、
 してる最中に「どうだ?気持ち良いだろ?」とか聞いてきそうだし(笑」




「あははは。可哀想に、彼も」
「そう思うけど、そんなのヤじゃない?」
「まぁね、確かに気が削がれそうだよね(笑」
そう答え、僕もお酒を一口飲んだ。




これは僕の偏見と思い込みと勘違いだけど
ノーミソまで筋肉の男のSEXは
・征服欲を満たすモノ
・激しければOK
・俺、サイコー・サイズ、サイコー
・常に気持ちよいか聞いてくる
・舐○ろよ、オラ
・徹頭徹尾、動作が単純
なんじゃないかと思っている。






E美もそう思っているからこそ、なかなかさせないんだと思う。
僕が女だったら、そんなのイヤだからE美の気持ちも良く解る。


なんでそんな相手を釣ったのか不思議だったのだが
E美曰く
「もう少しマトモだと思ったんだけどね」
という事らしい。




確かにそういう部分の性格は
ある程度話し込んでからじゃないと解らない。


++


「ヤツね、アタシに「オマエだけは裏切らないでくれ」って言ってきたの」
「裏切る?」
「なんかね、今まで付き合った女性って、みんな彼を振ったんだって」
「ふーん。それを裏切られたって言ってるの?」
「うん」


でも、それは裏切りじゃなく、飽きただけなんじゃないかと僕は思う。
当事者にしてみれば裏切りでも
反対側からみれば見切りだったり、飽きだったりだと思うからだ。




「中にはね、彼が行ったら他の男と寝てたってのもあったみたい(笑」
「あははは。そりゃ裏切られた気分でしょ(笑」
僕は他人事なので思いっ切り笑った。


「でもさ、それって裏切られたんじゃなくて、寝取られたんだよね?」
とE美は聞いてきたので僕は「きっとそうだね」と答えた。