3:宙ぶらりん


○4月26日:日本地震学会設立(1880年)
 →役に立ってるんだか、立ってないんだか・・・

++
http://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/0504/26/news004.html 通話とメールで良いじゃん・・・





やれやれ
思いも寄らぬトコロから火が出たな・・・


僕は「ホントわかんない」という顔をしながら


ショックを受けた・宙ぶらりんじゃいられない・旦那とケンカ
というキーワードから、何が起こったのかストーリーを組み立てていった。




しかし
ショックを受けた、というからには女の子絡みの事なのだが
一体何のハナシを聴かされたのか分からないし


宙ぶらりんも、正確には何の事を言っているのかわからない。


旦那とケンカに至っては
いつもの事なんだろうけど、どうしてケンカになったのかが分からなかった。




ただ、宙ぶらりんに関しては少し分かる。
なぜなら
僕が宙ぶらりんの中途半端な関係を望んでいたからだ。






僕はこの一連のN子絡みの出来事、
つまり「またドキっとしちゃったかな」から始まり披露宴に至るまで
確かにまた好きになるのかなぁ と思っていたが
基本的には「フツーに仲良しでいれたら良いな」と思っていた。




そりゃぎゅ、とか ちゅ、とかしてきたけど
その先に関しては急ぐ気もなかったし、ましてや「何か結論」を出そうとも思っていなかった。




ただ、バカ話をしたり、ニコニコ笑ったり
極端な事を言えば好きという感情がお互いにあるだけでも良かったのだ。
その「好き」が恋愛感情であれ、博愛であれ、どっちだとしても、だ。




だからこそ結論を求めるでもなく
たまに会ってお茶したり、手を繋いでみたりしていればそれで良かった。


++


「アタシね、他の人がそういう事をしていたら、即バイバイなんだよ」
しばらくしてN子はそう言った。




「そういう事」が何を指しているのか分からない僕は何も答えようが無いので
「うん」としか言えず、N子の話しの続きを待った。




「でもね、ぽんだからバイバイ出来ないんだよ?」
「・・・うん」




僕は神妙な顔つきをしていたが、内心では「一体、何の事を知ってるんだろう」
と考えていた。
少なくとも1年以上前の出来事なんだろうけど
僕がそんな事をいちいち詳しくべらべら喋るワケが無い。




だからN子は、僕が誰かと関係があったくらいにしか知らないのだろう。
しかし彼女にとってはそれが問題で、ショックの原因なのだろう。




「そりゃぁね、そういう事は少しはあるだろうとは思ったけど
 実際聞くとやっぱショックだよ」
N子はそう続けたが、一向に何の事か分からない、という顔つきで僕は聞いていた。


「ねぇ、一体Y子から何を聞かされたの?」
僕は対策を考える為にも、もう一度聞いてみた。
「・・・教えない。考えてみなよ、自分で」
「それが分からないから聞いてるんだって(笑」
僕は笑いながらそう答えた。




暫くN子は黙っていたが、やがて口を開いて言った。
「ねぇ・・・」
「ん?」




「ぽんは、どうしたいの? ぽん次第なんだよ、アタシは」
これがN子の言う「宙ぶらりんでいられない」という事なのだろう。






厄介な方向にハナシが進んできたな。
僕はそう思いながら、またタバコに火を点けた。




やれやれ。どうしたもんかな。。。