14・17歳の僕

○6月29日:ビートルズ初来日(1966年)
      →武道館の公演に、学校をサボって行った高校生など6,520人補導
       志村けんも行ったらしいけど、補導されたかどうかは不明*1
  1. +
http://www.oricon.co.jp/news/movie/26323/ もちろん主演は村井美樹で♪(切望) オフィシャルサイトはコチラ かわいいコですよ



「彼氏さ、僕ってのはどう?」








言っちゃった・・・・






僕は緊張でノドがガラガラになっているのが分かった。








「ダメ、かなぁ」
僕は暫くの沈黙を破り、U子に聞いてみた。




U子は嬉しいような困惑したような表情で僕を見て


「ぜんぜんダメじゃないです」
と言って、首をブンブンと横に振った。








「でも」 U子は少し心配そうな顔つきで呟いた。


「でも?」 僕は聞き返した。




「・・・でも、せんぱい、仲が良い子、たくさんいるじゃないですか」
「うん」
「だから、何か信じられないというか、ウソみたいというか」
「あははは。そっか。でも、僕が好きなのはU子ちゃんだよ」*2


僕は流れにまかせて「好き」というコトバを口にした。
改めて顔をみながら なんて恥ずかしくて出来るわけがない。




「なんか、ドキドキしてる。ウソみたい」
そう言ってU子はニコニコしていた。




「ウソじゃないよ、ホントだよ。
 どう? 僕の彼女 ってのは」
僕はもう一度U子に聞いてみた。




まだ、きちんと返事はもらっていなかったのだ。






「アタシの方こそ、ぜひお願いします」
そう言って、U子は満面の笑みを見せてくれた。










ーーー2002年


「・・・なんか、マンガとかドラマみたいな感じだね」
F美はニコニコしながらそう言った。




確かに絵に描いたような展開だった。




「で、U子ちゃんはいつからぽん君の事を好きだったの?」
「結構早い段階だったみたい。そもそも部活に入ったのも、僕が居たからみたいだし(笑」
「へぇぇ それは知らなかった」
「僕も付き合ってしばらくしてからだよ、それを聞いたのって」
「ふーん。でも仲良かったよね、ぽん君とU子ちゃん」
「そう?」
「うん。結構ウワサにもなってたしね(笑」
「へぇぇ それは知らなかった(笑」




「でもさ、それなのにどうして別れちゃったの?」
しばらくして、F美はそう聞いてきた。




「んー、なんでだろうね(笑」
僕がなんとなく誤魔化したのは


それは話すには時間が足りなかったのと、
僕の中でまだ全てを理解していなかったからだった。




「まぁ、また今度話すよ、その辺りの事は」


そう言って、その日はF美と別れた。





17歳の僕は、その時確かにU子の事が好きで
かけがえの無い存在として捉えていた。




毎日会って、毎日電話をして、毎日想っていた。


それは若かった事もあるし、
本当に「好き」と思えた最初の出来事だったからかもしれない。




夏が過ぎ、秋が来て、冬の寒い中手を繋いで歩いた。
そして、お互い初めてのぎこちないSEXをした。




やがて春になり、僕は高校を卒業し、U子は2年生になった。




僕は新しい環境に放り込まれ、雑多な日々を送り
時間を見つけてはU子と会った。




そして
付き合いだして1年。








僕はU子と別れた。






「1990年」 終わり







*1:ドリフの前座じゃない日

*2:この頃はまだ呼び捨てにしていなかった