7・一年間の永遠

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060913-00000032-sanspo-ent
へー。タレントになんかなってたんだ、この子↓
http://www.ntv.co.jp/koikara/profile12/ogawa.html
舌っ足らずなしゃべり方がR子に似てたなぁ。
ついでに、こんなのも発見
http://blog.livedoor.jp/mana_love_princess/
http://www.splash-jp.com/manamin/index.html
■今日のアクマ■

「大衆」(一般大衆・パブリック)
法律制定の諸問題で、無視して差し支えない要素。

引用:新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)



ーーー1991年




U子から「別れよう」と言われた後、僕は気を紛らわすために
後輩に会ったり、先輩と呑みに行ったりした。


そうやって遊びに行ったからといって、何が解決するわけでも無いけれど。




U子に連絡もせず、もちろん会う事も無く1ヶ月が過ぎたけれど、
そんなに長い間、一切の関係を絶ったのは付き合いだしてからは初めてだった。


それまでは余程の事が無い限り毎晩電話をしていたし
時間さえあれば会っていたのだ。




僕は、付き合いだしてからの1年を思いだしていた。
映画を観に行った事や、学校帰りに買い物に行ったことや
ドライブに行った事や、U子の家に行った事や、僕の部屋で抱き合った事や。




思い返してみても、僕にはU子が「別れよう」と言った理由が見つからず、
もちろん心当たりも無かった。


確かに、U子が快く思っていなかった「みんなで雑魚寝」の事は少し引っ掛かっていたが、
それはU子にしてみれば「嫉妬の範疇」に含まれる事で、「たかが雑魚寝」で別れ話にまで発展するとは思えなかった。
 →キッカケの一つではあるだろうけれど





約束の日、僕はU子の家の近くまで車で行った。


「よう」
「・・・久しぶり」
そう答えたU子の顔には、笑顔は見られなかった。




僕はその瞬間、漠然とした諦めを感じたが、すぐに引き下がる事は出来なかった。


たぶん、何を言ってもU子の気持ちは変わらないだろう。
そう思ったけれど、僕は「なにか」を言わずにはいわれなかった。




どれだけU子が大事か、
どれだけ手放したくないか、
どれだけ大好きだったか、




とにかく形振り構わず、思っている事を伝え、
少しでもU子の気持ちを振り向かせようとした。








僕の長い独白を聞き終えたU子は、
「やっぱり、それでも別れるって思ってる?」という僕の悪あがきに対し、






「うん。ホントにゴメンね」
そう一言だけ答えた。





「そっか。じゃぁ、仕方ないか・・・」
僕はそう呟いて空を仰ぎ見た。




もちろんショックだったけれど、
一ヶ月間の猶予があったおかげで、少しだけ楽だった。




「あのさ」
僕はU子の目を見ながら話し出した。


「ん? なぁに?」
「これでスッパリと縁が切れちゃうのは何かイヤじゃない?」
「う〜ん、どうなんだろう。わからない」
「元通りにさ、「ぽん先輩」のままで良いかな・・・」


諦めの悪い僕は、U子との繋がりを消したくはなかった。
とにかく、繋がってさえいれば、いつか転機があるかもしれないし、
そうすれば復活だってあるかもしれない。


僕はそう姑息に考えた。




そんな心境を知ってか知らずか
「うん。じゃぁ先輩のままでいてね」とU子は笑顔で答えた。






別れ際、
「ごめん、一度だけ」と言い、僕はU子を強く抱きしめた。


「一年間、本当にありがとう」
U子の耳元でそう呟いた僕の言葉に対し、U子は「うん」と一言だけ返してくれた。


U子の体に回した手に、更に力を込めたけど、
僕の背中に軽く回されたU子の手に、力がこもる事は無かった。






ーーー2006年


「で?」
「で?」僕はW子に聞き返した。


「それで、その後はどうなったの?」
「どうにもならなかったよ(笑」
「そんなもんなんだ〜」W子は感慨深そうに呟いた。
「そんなもんなんだよね」僕は笑いながらそう言った。




「それにしても、ぽんも純粋だったんだね〜」
W子は笑ってそう言った。


「まぁね。あの頃は永遠を信じていたしね。
 それこそ、U子と結婚すんじゃねーか? ぐらい思ってたもん(笑」




「あははははははは」
目を丸くしてW子は大笑いした。


誰だって笑うだろう。「僕」の口からそんなセリフが出れば。
僕だって笑いたくなるくらいだ。


でも、18歳の僕は確かにそう考えていたし、
それを信じていた。






「結局、U子ちゃんが別れようと思った理由は分からずだったの?」
ひとしきり笑ったあと、W子はそう聞いてきた。


「本人の口からは何も聞いてないからね。でも、今なら理由が分かるよ」
「なんで分かるの?」
「もちろん経験」僕は胸を反らせてそう言った。
「年の功 じゃない?」そう言ってW子はいたずらっぽく笑った。
「あははは。あり得るな、それ。
 まぁ、結局ね、僕がU子の事をちゃんと見ていなかった、って事なんだよ」




僕は、
U子と別れてから何年か経って導き出した推論を、W子に向かって話し始めた。





[独り言] 茶色から緑に変更