舞台



後輩の公演を観に行った。(注:一人で)


今回の公演は、ショートショートの4本立てで、
後輩の演じる役柄は、独身OL役。


寿退社した先輩OLに、お見合いやら男性を紹介され、
ちょっとウンザリしている。
でも、先輩は執拗に「お付き合いする人」を勧めてくる。
そして、前の彼の事を早く忘れた方が良い とアドバイスする。


後輩演じる独身OLは「はいはいそうですね」
と流している感じ。




僕はここまで観て、なんとなーく
「この独身OLの元カレって、先輩OLのダンナじゃないか?」
と思った。


だから先輩OLは新しいオトコを勧めるんだ、と。
そしてその予想は半分当たった。


独身OLは、先輩OLのダンナと不倫関係だった。
その事を、先輩OLは知っていた。




あー、なるほど。
面白い。


独身OLはかなりかわいい。
先輩OLは正直不細工だ。
でも、先輩OLのダンナは、不倫関係を終わらせ、
先輩OLと子どもの元へ帰っていった。




独身OLは「彼とのデート」の事を自慢し、
先輩OLは「私はそんな所へ行った事ないな」と答える。


独身OLは「彼の意外な一面」を自慢し、
先輩OLは「そうなの。そんなの知らなかった」と答える。




でも、そのダンナは先輩OLの元へ戻っていった。
独身OLは、ある部分に於いては勝っていたが、
最終的には負けてしまっている。


先輩OLは大部分に於いて負けていたが、
最終的には負けなかった。


独身OLは、勝って勝って勝ち続けて、最後に負けた。
先輩OLは、負けて負けて負け続けて、最後は負けなかった。
先輩OLは、その理由が自分自身ではなく、子どもの存在である事を知っている。
独身OLも、勝てなかった理由が先輩OLの魅力ではなく子どもの存在である事を知っている。


だから二人とも
とても悲しそうな表情をしたまま終幕を迎える。





見終わった後、後輩と話をしていたら
「あたし、今回のは「ぽんさんにはキツいかな」って思ったんですよ」
と笑って言った。


んーんー。
色々と思う所はあったけど、面白かった。




個人的には後輩OLの
「無理して強気に自慢しているけど、もう泣きそう」
な雰囲気がとてもいじらしく思えた。


個人的には先輩OLの
「私はあなたみたいに美人じゃなくて不細工だけど、あの人は帰ってきたのよ」
という卑下た中にある勝ち誇った雰囲気に嫌悪感を感じた。




でも、とても面白い舞台だった。
一年の最後に良いモノ観れて良かったヨ。





あ。
メリークリスマス。


みなさん、良いクリスマスをお過ごし下さいマセ。