最終話


デート中の会話に使えるかもしれない小ネタ
※僕がデートするワケじゃない(笑

○6月30日:上野動物園の「おサルの電車」が廃止(1974年)
      →動物虐待だから、らしい。う〜ん、、、

  1. +

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040630-00000030-nks-ent
 →手法を変えたって三匹目のドジョウ。
  で。
  世界の中心って何処にあるんですか?

  1. +

今日でこのシリーズも第3回になりました。
そろそろオチをつけたいと思います。
え? オチ?(笑

  1. +

時計を見ると結構な時間になっていた。
彼女はこの駅から自宅まで1時間以上掛かるし、僕も引き上げ時だった。
「そろそろ行こうか」僕は伝票を持って立ち上がった。
 
 
 
「あ、アタシの分、幾ら?」とヤボな事を聞いてきたので
「いらねーよ、ボケ」と言って彼女の脇腹を突っついた。
「最近さぁ、ちょっと太ったかもしれない。肉、ついてる?」
僕はレジでお金を払いながら彼女の脇腹を触ってみた。
「うーん、そんな事ないんじゃない? 元々細いし、丁度良いんじゃない?」

そんなやりとりをしながらエレベーターに向かった。
彼女の荷物を一つ持ちながら歩いていると、僕の右手と彼女の左手が一瞬当たった。

僕は一瞬心臓が高鳴った。

・・・このまま手を繋いでみようかな・・・
エレベーターに乗り込み、彼女と会話を交わしながら僕は悩んでいた。
 
 
・・・いや、辞めておこう
 
 
 
あ、また当たった。
 
 
 
繋ぐか、繋がぬか・・・・
 
 
そんな僕の葛藤を知るわけもないエレベーターは、無情にも1階に着いてしまった。
ここから改札、そしてホームまではあと数分だった。

・・・このまま帰って良いのか?
僕は自分に問いただした。

  1. +

これが普通のデートだったら僕は手を繋いでいたかもしれないし、
もしくは繋ごうとは思わなかったかもしれない。
でも、彼女は違うのだ。
「この子とは手を繋いじゃダメだ!」という気持ちと
「しっかし、ホントかわいくなったよなぁ。手、繋いでみたいなぁ」という衝動が
入れ替わりに僕を襲う。

でも繋げない。
それが理性なのか、勇気が無いのかわからないが
とにかく繋ぐ事は無かった。

そんな事を考えているとホームへ昇る階段まで来てしまった。
僕は5番線、彼女は8番線。
僕は預かっていた荷物を返すのをためらった。

・・・このまま渡さなければ、もう少し話をしていられる・・・

でも話をしたからといって、何が変わる訳でもない。
「ケーキ、ご馳走さま♪」
そう言って沈黙を破ったのは彼女の方だった。
僕はその一言で我に還り、荷物を返した。
そう、いくら僕がアレコレ考えても、彼女の心境が分かる訳でもないし
僕の考えが伝わる訳でもないのだ。
こんな時こそ言葉が重要なんだな、と思いはしたが
その「出すべき言葉」を言う勇気はなかったし、言ったら何かが壊れてしまう気がした。
何より問題なのは、僕自身がその「言葉」が何なのか分からなかった。

「じゃぁ、また、だね。」
僕はニコっと笑いながらそう伝えた。僕にはこれが精一杯だった。

「じゃぁまたね」
そう言って彼女は僕に背を見せ、駅の雑踏に消えていこうとした。
  
   
僕は思わず手を伸ばし、彼女の腕を掴んだ。

「まだ帰したくない」

僕は一瞬そう思った。
 
 
そんな事を思ったもの、咄嗟に腕を掴んだのも、今までに無かった事だ。
・・・一体、僕は何をやっているんだ?
そんな自問自答を繰り返していると、彼女は少し驚いて振り向き、僕の目を見た。

僕は軽く彼女を引き寄せた。
 
 
「どうしたの?」
彼女は不思議そうに僕の目をみながらそう言った。
 
 
・・・このまま抱きしめてしまおうか・・・
 
 
彼女の背中を見て、僕の感情は一気に流れ出したのだ。
しかし僕が取った行動は
 
 
 
「かわいくなったよ、本当に」

そう伝える事だけだった。
今の僕にはそれが精一杯だったし、抱きしめる勇気も、気の利いたことを言える甲斐性も無かった。
 
 
「そう? ぽんもかわいくなったよ♪」
それが彼女から戻ってきた返事だった。
やれやれ。「僕もかわいくなった」か。。。

  1. +

「じゃぁまたねー♪」

今度こそ彼女は帰っていった。
僕は電車に乗り込み、彼女に取った行動や会話は反芻していた。

一体、どうしてこんな感情を持ったんだろう。
今まで僕には「こういう事」は無かったハズだ。
しかも「こういう事は無い」と断言までしていた。

まぁ良い。
一晩経てば、落ち着くだろう。
そう思い僕は家に帰っていった。
 
 
 
僕がN子を好きだったのはもう6年以上も前の事なのだ。
今更何が起こるというんだろう。
確かにN子は魅力的な女性になった。それは認めよう。
しかし、僕はN子に別れを告げた立場だ。

「元カノに対しては恋愛感情を持たない」
そう決めたのは僕自身だし、実際持つことも無かった。
きっとN子が元カノじゃなかったら、本当に抱きしめていたかもしれない。
でも結局抱きしめる事もなく、手を繋ぐ事もなかった。

それは僕が自分自身に「恋愛感情を持たない」と言い聞かせたからなのか、
それとも・・・

  1. +

さて。
長い文章にお付き合い頂き、ありがとうございます。
フタを開けたらN子だった、というオチでした(笑

その後ですが、翌朝目が覚めたら、
なーんの感情もありませんでした(笑

一体あの葛藤はなんだったんだ? と今更ながら思います。
 
 
 
悩み損、ですなぁ。
 
  
でもかわいくなってたのは事実です。
髪の毛の雰囲気とかメガネとか、なかなかイイ線突いてたんですよねー。
 
 
N子の唯一の欠点は
 
 
 
元カノだ、って事ですかねー(笑
 →うわー、無茶苦茶言ってる