15歳の春

○9月30日:厚生省が「結婚十訓」を発表(1939年) 「産めよ増やせよ国の為」他
      →要は沢山兵士を産め、って事だろ?
  
   
++
 
  
もう10月だってのに、30度って何さ。
 
 
++
 
 
14歳の秋を書いたら、もう一つ思い出した。
 
 
15歳の冬とか春(笑
 
 
 
秋の始めに友達のライブを見に行った。
 
 
 
ライブハウスに入ると、わさわさと人が居て、僕は一緒に行った友達と喋っていた。
その時ふと僕の視界に、見かけたことの無い女の子三人組が入った。
 
 
 
「2年生の子たちかな」と思い、僕はそのまま友達との会話を続けたのだが
 
 
  
 
「・・・、良かった・・・先輩・てるよ」
「あ、・・・だ〜」
 
 
 
と、彼女達の方から微かな声が聞こえてきた。
  
 

 
 
良く聞き取る事は出来なかったが
どうやらお気に入りの先輩がこの会場内に居るらしい。
  

 
僕はさして気にも掛けなかったのだが
ほんの少し視線を感じたのは確かだった。
 

 
 
でもその頃の僕は純でアホで不用心で何も知らないバカだったから
「僕の事? いやいやそんな旨い話があるわけ無い」と思っていた。
 
 

  1. +

 
 
それから暫くして、偶然(?)その時の子を校内で見かける事が多くなった。
彼女は背が高く、ほっそりとして、色白で綺麗な子だった。
 
 
 
多分、ライブの時に僕が顔を覚えて、それで気が付く様になったんだろう。
今までその子の顔を知らなかっただけだ。だから単なる偶然だ。
 
 
  
 
僕はそう思っていた。
 
 
 
 
ある日僕が廊下を歩いていると、以前から知り合いの後輩に会った。
後輩は「偶然見かける子」と一緒に居た。
 
 
 
二言三言会話をし、僕は「偶然見かける子」にも挨拶をした。
「じゃぁね」と僕が立ち去ると、後ろで「きゃっきゃ」と声が聞こえた。
 
 
++
 
 
僕の下駄箱は一番下の段にあり、靴を履き替える時は
脱いだまま放り込んでおくのがクセだった。
 
 
 
ある日体育の授業から戻ると、放り込んだ靴がキチンと並べられていた。
 
 
 
自分で並べたっけ?
 
 
 
僕は不思議に思って気にも掛けなかったのだが
流石にそれが続くと何となく状況が掴めてきた。
 
 
 
「偶然見かける子」が並べてくれてるんだろうか、と。

  1. +

そういった「不思議な事」や「偶然ばったり」が卒業まで続いた。
 
 
 
晴れて迎えた卒業式。
式を終え、外に出ると「偶然見かける子」が立っていた。
僕は第二ボタンをあげ、一緒に写真も撮って貰った。
 
 
 
 
その後彼女から手紙が届き、返事を書き

結局そのままになってしまった。
 
 
 
 

 
 
 
ホント、僕ってバカ。