その8





○10月27日:テディベアズ・デー
       →つまりまぁ、ルーズベルトの誕生日
        多分、美談なんだろうけど、アメリカらしいな、と。
 
 
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041027-00000009-sph-ent
あははは。やるんだ、これ。
アホくせー
 
 
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「あのさ、ちょっと打ち明け話していい?」
僕はR子に向かってそう言った。
 
 
 
 
「なぁに?」
「高校に入る前、遊びに来たでしょ?」
「うん」
「その頃から、妹ってだけじゃなかったんだよね、ホントは(笑」
「えー、ホントにぃ?」
「ホント」
「どうだかなぁ」
R子は疑う様な目で僕を見た。
「ホントだよ。ライブで泊まりに来た時なんて、ドッキドキだったよ、かわいくて(笑」
「あははは」
 
 
 
 
「あのさ」
僕は体勢を直して改めて話を続けた。
「実はね、結婚するとき、オマエの事が気がかりだったんだよ」
「え?」
「どう言えば良いんだろ。結婚した頃ってまだ高校生だったでしょ?
 卒業してこっちに引っ越してきた時、独身で居たかったんだよね、ホントは」
「え? え〜〜〜〜? どういうコト? え?」
R子は驚きと突然の僕の独白で戸惑いと、ほんの少しの喜びの混じった顔をしていた。
 
 
 
 
僕は急に恥ずかしくなり、身体ごと顔を逸らし、R子に背中を見せながら続けた。
「だから、ホントはオマエが卒業するまでは結婚とか考えたくなかったのっ」
僕は投げ捨てるように言った。
 
 
 
 
「え? なんで? なんで?」
R子は僕の服を引っ張りながらそう言った。
 
 
 
「だから、ずっと気になってたからに決まってるだろっ」
「気になってたって?(笑」
R子は少し意地の悪い口調になっていた。
 
 
 
「だーかーらー、ちょっと好きだったんだってばっっ」
「だめ!」
 
 
 
 
 
だめ?
何がダメなんだ?
言ってはいけなかったのだろうか。
 
 
 
 
「ちゃんとこっち向いて言って」
「やだよ、こっ恥ずかしいから」
「だーめー」
そういってR子は強引に僕の身体の向きを変えた。
 
 
 
 
 
まさかこんな状態で立場が入れ替わると思わなかった。
どう見てもR子の方が優位に立っていた。
R子にしてみれば、予想外の相手からの告白を受けたようなものだ。
僕にしてみれば、今まで秘密にしていた奥底をさらけ出してしまって、無防備な感覚だった。
 
 
 
「だからさ、オマエのコトが好だったんだってば、女の子としても」
「えへへー」
ニコニコしているR子をヨソに、僕はまた背を向けた。
「だからダメだって、そっち向いちゃ(笑」
そう言ってR子は僕の身体の向きをまた変えた。
 
 
 
 
僕は向きを変えられた勢いを利用し、そのまま正面からR子を抱きしめた。
 
 
その9へ続く★