性描写



久しぶりにダンス・ダンス・ダンス〈上〉 (講談社文庫) を読み返したら
なかなか素晴らしい描写に行き当たった。


主人公の「僕」がゴージャスなカラダの「メイ」というコールガールとSEXをするシーンだ。*1


「全然」と彼女は言った。そして僕の隣りに来て、僕が34年間の人生で誰にもしてもらったこと
のないようなことをしてくれた。デリケートで大胆でちょっと簡単には思いつけないようなこと
を。でも誰かが思いついたのだ。僕は体の力を抜いて目を閉じ、流れに身を委ねた。それは僕が
これまでに経験したどんなセックスとも異なっていた。
「悪くないでしょ?」と彼女が僕の耳もとで囁いた。「悪くない」と僕は答えた。


 それは素晴らしい音楽と同じように心を慰撫し、肉を優しくほぐし、時の感覚を麻痺させた。
そこにあるものは洗練された親密さであり、空間と時間との穏やかな調和であり、限定された形
での完璧なコミュニケーションだった。







「限定された形での完璧なコミュニケーション」だなんて、なかなか思いつかない表現だ。
最近、SEXについて色々と書いていたから、
ふむふむ と思いながら読んでいた。


ところで
「ちょっと簡単には思いつけないようなこと」って少し気になる(笑

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