4:ダミー


○4月29日:みどりの日
 →自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ国民の祝日だそうです

++
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050429-00000030-sanspo-ent 一度捨てたしね(笑



暫くN子は黙っていたが、やがて口を開いて言った。
「ねぇ・・・」
「ん?」
「ぽんは、どうしたいの? ぽん次第なんだよ、アタシは」
これがN子の言う「宙ぶらりんでいられない」という事なのだろう。


「どうしたいんだろ。わかんない」
僕はそう言って誤魔化す事にした。




僕はN子との関係に「きっちり枠にはまったモノ」は求めていないし
「どうしたい」という考えも無かった。
だから答えようが無かったのだ。




「そうだよねー。ぽん、奥さん居るし、ネコも居るし。捨てられないもんね」
そう言ってN子は笑った。


「まぁ、確かにネコは居るけどさ」
そう言って僕も笑った。




「あーあ、なんでこうなっちゃったんだろ」
N子は苦笑いしながらそう言った。




「こう?」僕は聞き返した。
「こんな気持ち。ぽんが結婚しちゃったからいけないんだよ(笑」
そう言いながらN子は僕の手を取った。


「まぁそうだけどさ」
「ショックだったんだから、結婚するって聞いた時」




ショック?
前にもそういう事は聞いたと思ったけど、でもなんでショックだったんだろう。
N子は僕と別れた後、何人かのヒトと付き合ったし
その話も僕は聞いていたのだ


「でもさ、N子だって好きな人が出来て、付き合ってたでしょ?」
「うん」
「それでもショックだったの?」
「そうだよ。だってダミーだもん






ダミー?


なんだ? ダミーって




「ダミー?」
僕は首を傾げ、聞き返した。




「そう、ダミー。別に好きで付き合ってたワケじゃないもん」
「どういう事?」
僕は意味が分からなかった。そりゃ特に好きじゃなくても付き合う
って事があるのは分かってるが、N子もそうだったのだろうか。




「だってアタシはぽんの事が好きだったんだもん
「へ?」
僕は口をぽかんと開けたまま動きが止まってしまった。






「別れてからもずーっと好きだったんだよ。知らなかったでしょ(笑」










そんなコト知ってるワケないだろ!!!
僕はそう心の中で叫んだ。