5:放漫な身勝手さ
○5月6日:ゴムの日 →避妊の日、というワケではない(笑
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050506-00000020-spn-ent トレーニングしろよ(笑
「だってアタシはぽんの事が好きだったんだもん」
「へ?」
僕は口をぽかんと開けたまま動きが止まってしまった。
「別れてからもずーっと好きだったんだよ。知らなかったでしょ(笑」
そんなコト知ってるワケないだろ!!!
僕はそう心の中で叫んだ。
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そもそも僕がN子と別れた理由は些細な事が原因だったが
するべき事をきちんとしなかったというのは
僕にとって別れる理由になり得たのだ。
僕はちゃらんぽらんだけど、自分の行動には責任を持とうと決めていたし
N子にも「○○だけはやり遂げる事。出来なかったら別れるよ」
という事は伝えておいた。
だからそれが出来なかった時、僕はN子に別れを切り出し
彼女もそれを了承した。
その時N子は
「うん、わかった」と一言だけ残し
2ヶ月後くらいには新しい彼氏が出来ていた。
だから僕は「なんだ、結構アッサリしてるんだなぁ」
と思ったし、反面少し寂しい気もした。
確かにここ最近のN子とのやり取りで
その時の「アッサリ」は負けず嫌いの性格から出たコトバで
実際にはそうじゃなかったというのは分かっていた。
しかし
その後もずっと好きでいてくれたのは本当に分からなかった。
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「知らなかったよ、そんなの。だって彼氏居たじゃん・・」
僕は戸惑いながらそう言うのが精一杯だった。
「居たよ。でもさ、刷り込みみたいなもんでさ、17の時に好きになったんだもん。
やっぱそれを忘れる事、出来ないもん」
そう言ってN子は僕の手を強く握った。
「うん・・・」
僕はそう答える事しか出来なかった。
正直、N子がそこまで想っていてくれたとは思わなかった。
しかもその相手に対し、結婚後のグチのような事を散々話していたのだ。
N子の心情を考えると、自分の放漫な身勝手さに対し幻滅した。
好きな相手が結婚し、しかもそれに対しグチを言っている。
N子としては腹立たしく、それこそ僕に対しムカついていたはずだ。
それがまた仲良くなれた
と思った所でY子の「ぽん、誰かと何かあったみたいだよ」発言があったのだ。
そう考えると、僕は自分自身の迂闊さを呪い
この場面をどう切り抜けるかも同時に考えていた。
きっと
「分かった。ヨメさんと別れる」とか
「確かに色々あったけど、ずっとN子の事が好きだったよ」
とか言えれば良かったんだけど
僕にはそれが出来なかった。
確かに僕はN子の事は好きだけど
何か決定事項を求めるつもりも、関係をハッキリさせるつもりもなかった。
ただ、普通に仲良しでいれれば良かったのだ。
しかし状況を考えると、あやふやでいるのにも限界がある。
これ以上、N子を混乱させる訳にもいかないし
僕もややこしい事になるのは嫌だった。
でも何をすれば良いのだ?
一体、N子はどうする事を望んでいるのだ?
究極な部分で考えれば
僕はヨメさんと別れ、N子が旦那と別れる
という事なのだろうが、僕にはその気が無かった。
だからこそ、それを匂わすような事は一切言うことが出来なかった。
「アタシ、旦那に喋っちゃうかもしれない」
僕が黙っていると、N子はそう言った。
喋る?
一体何を喋るんだ?
僕はN子の目を見て
「喋る? 何を?」と聞き返した。