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○8月26日:レインボーブリッジ開通(1993年)
 →これが無ければ、封鎖だなんだと言わなくて済んだのにね
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050826-00000761-reu-ent.view-000 生態系に於ける重要性? ふーん。





「まぁ、小さい街じゃけ、面倒な事もあるんよ」
そう言って、My子は笑った。




「へ〜。面倒そうだなぁ」
そう言って、僕も笑った。








面倒な事、というのが具体的に何を指すかはわからないが
まぁ、男がらみなのだろう。


小さい街+面倒 とくれば、それは大抵「うわさ話」だからだ。
きっと何かゴタゴタした事があるのだろう。




であれば、尚更聞き出すワケにはいかなかった。


言いたくなれば、自分から言うだろう。





こうやって喋ってると
僕は思ったよりMy子の事を色々と忘れていた事に気が付いた。


でも、それは逆に新鮮な事でもあった。




「そういえばそうだったな」と思えば「思い出す」事になるが
「へー、そうなんだ〜」と思えば、それは「初耳」になるからだ。






付き合っていた期間は1年に満たなかったから
実際に初耳な事も多かった。


だからハナシが尽きる事はなく、いつしか夕方になっていた。




「夕飯、どうしようか」
僕はこの後の予定を考える事にした。


最初、My子はイタリアン系が食べたい と言っていたが
それはこのお店の事だったから、どこか他を探さなくてはならない。




「そやなー。何食べよ」
「何が良い?」
「和食、でも良いかな」
「和食ねぇ」


僕は腕組みをして考え込んだ。


和食?
そんな店、この街で行ったこともないし、アテもない。


多分、和食のお店はあるだろうけど
べらぼうに高いお店になってしまうだろう。


そんな店に行く気はなかったし、予算も無かった。




「ま、歩きながら探そうか。そうすればお腹も空いてくるでしょ」
そう言って、お店を出る事にした。





空が薄暗くなり、人通りも増えてきた。
僕とMy子は、大通りから色々なお店があるメインストリートへ移動した。




「こっち」
僕は曲がり角の度にMy子の肘を掴んでいたのだが
それも面倒になり手を繋ぐ事にした。






あーあ、やっちったヨ・・・・






驚いたかな? と思いMy子の横顔を見たが
さして気にした様子も無かったので、僕は構わず繋ぎ続けた。




ま、いーか。
繋いじゃったし、いまさら手を解くのもなんだし。




そう自分を正当化させてみたが
ハナシをしているウチに、繋ぎたい気分になった
というのがホントの所だった。




建前では「人通りが多いから手を繋いだ」のだが
本音は「繋ぎたくなったから手をつないだ」のだ。




それがMy子にどんな影響を与えるかは分からなかったけど
久しぶりに繋いだMy子の手は、僕をほんの少し暖かい気持ちにさせた。





「あ、このお店寄って良い?」
そう言ってMy子が向かったのは、日用品が売っているお店だった。


「まだ越したばかりやし、買うモノ結構あるんやよね」
My子は僕の手を引き、店の中に入っていった。






「へー、コレおもろいなぁ、見てみ?」
「あ、ホントだ。なんだこれ(笑」
そんな会話をしながら僕たちは店を歩き回っていた。


商品を手に取る度に繋ぎ直すのは面倒なので、手は解いていたが
肩と肩がゴツゴツとぶつかっていた。




・・・段々と、距離感が縮んできたのかな・・・




僕はそう思いながらMy子を見ていた。
「どしたん?」僕の視線に気付いたMy子が、不思議そうに尋ねた。


「ん、いや、楽しそうに見てるな、って思ってさ」
僕はそう言って誤魔化した。


「うん。だってこういうの見るのって楽しいんやもん」
そう言ってMy子は微笑んだ。




いっその事、距離感を縮めてみようかな・・・
その笑顔を見たとき、僕はそう思ってしまった。





まだ続きますヨ
今月中に書き終わるのかな、これ・・・