その4
○9月30日:東山紀之誕生日(1966年) →立派に中年・・・http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050930-00000045-nks-ent 本国じゃ酷評だったから、そりゃ嬉しいでしょう
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ただ、そう言ったMy子に対し、
僕の中である一つの感情が大きくなった事を感じた。
☆
結構な時間になってきたので、喫茶店を出て、駅へ向かった。
「これ、同居人にバレないようにせんとなぁ」
歩きながらMy子はそう呟いた。
My子の同居人は、僕の後輩でもあるし、昔付き合っていた事も知っている。
しかし、僕に対してはあまり良い印象を持っていなかった。
それは学生時代の黒いウワサが原因なのだが*1
30過ぎた今でも、その印象は拭えていなかったようだ。
「ははは。まだナイショにしてるの?」
「うん。聞かれはしたんよ。最近、誰かと会ってる?って」
「うん」
「でな、最初に名前が出たんが先輩だったんよ」
「うわー。鋭いなぁ」
「もちろん誤魔化したんやけど」
「ははは。でもさー、あの子、まだ僕に対して悪印象なの?」
「どうやろ。ウワサとは違うってのはウチは知ってるけど
別にフォローはせぇへんもん」
そう言ってMy子は笑った。
☆
ホームに着き、My子の乗る電車が来るのを待った。
電車が来るまではかなり時間があった。
ホームの柱に寄りかかり、手を繋ぎながら
ゴハンに行く日の確認をした。
元々、またゴハンに行く話は出ていたので、
場所を何処にするか、何を食べたいかなど話していたのだ。
「そろそろ電車来るかな?」
僕がそう言って、電光掲示板を見ると
繋いだMy子の手に、少し力が入ったような気がした。
僕は手を握り返し、My子を見ると目が合った。
「なんだよ」
「なんやよ」
「別に〜」
「ウチも別に〜」
My子は握った手をゴツゴツと僕の足に当てたりして遊んでいた。
暫くそのままにしているとアナウンスが入った。
僕は柱からカラダを離し、その勢いでMy子にキスをした。
「ばか」
そう言ってMy子は空いた手で僕のぽっぺたを押したが
その表情にはニコニコとしていた。
あーあ、やっちったヨ・・・
☆
僕はMy子が乗った電車を見送り、違うホームへと向かった。
My子は驚きはしたようだったけど
イヤな感じではなかったと思う。
でなければ、キスした後も手を握り続けてはいないだろうし
困るのだとしたら、戸惑いの表情も見せるはずだった。
問題は、このキスではなく
キスした事によって、My子がどう変化するかだった。
「ゴメン、やっぱウチ、そういう感情は持てへん」
となるか
「えへへ」
となるか
とにかく、色々と考えるのだろう。
その結果がどうなるか、僕には分からなかった。
*1:大迷惑娘が吹聴した