その6


○10月5日:数学者ゼルテンの誕生日(1930年)※ゲームの理論の研究
      →ノイマンとかメイナード・スミスの方が有名かも。
       ゲームの理論とは「タカ派ハト派が戦った時、長期的にみれば均衡が保てる」
       というような理論。詳しくは各自で調べて下さい。面白いですよ。
  1. +
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051005-00000032-sanspo-ent 他がすっかり落ち目だから仕方ないんだろうけど、 ここまでくると、やりすぎでバカみたいだ(笑





「よう考えたら、ウチら毎週のように会ってへん?」
My子はそう口を開いた。




「そういやそうだね。ははは」
僕は笑ったが、そんな事はとっくに気が付いていた。


恐らく、付き合っていた頃よりも頻繁に会っているかもしれなかった。
付き合っていた時、僕は日曜日しか休みが無く
その全てをMy子と会う事に費やしてはいなかった。
友達と会ったり、集まりがあったりで、会っていたのは月に2〜3回だったのだ。





いつもの様に他愛の無い話をし、
お店を出て少し散歩をした。


小さな公園のようなトコロがあったので
僕たちは木により掛かって話をしていた。


僕は手をMy子の腰に廻し、軽くハグしていた。


一瞬、会話が途切れた時、僕はキスしようとしたが
「だーめ」と言ってMy子は僕のほっぺたをつねった。


ぽ 「なんでー?」←ニコニコ
My「なんでもー」←ニコニコ
ぽ 「どうして〜?」←ニコニコ
My「・・・・だってさぁ、分かるでしょ?」←ちょっと真剣 
ぽ 「わかんなーい」←ニコニコ


僕はそれでも一瞬の隙をついて、My子にキスをしてしまった。


「ばかー」そう言ってまたほっぺたをつねられたが
嫌がっている様子ではなかった。


My子は僕の胸に顔を埋めてきた。
「あーあ」
そう言ってMy子はため息をついた。




「どうしたの?」
僕は少しカラダを離し、My子を見ながら聞いてみた。
My子は空いた手で拳を作り、僕のお腹を叩きながら何かを考えていた。




「・・・ちゃんと好きな人を見つけなきゃいかんのに
 それが何でキミなんだよ・・・」
暫くしてからMy子の口から出た言葉は
僕にとって、少しは予想していたが、それでも驚きの事だった。




「うん」
僕はそう頷く事しか出来なかった。


もちろんその言葉は嬉しかった。
でも、まだ無条件に僕も返事を出すことが出来なかった。




多分、僕もMy子が好きなのだろう。
でも、その二文字を口に出す事が出来なかった。




その代わり、僕はMy子を強く抱きしめた。




「ばか」
My子はそう言って僕の身体に廻した手に、力を込めた。





僕はふと思い出してMy子に聞いてみた。
「そういえばさ、オマエわざと先輩って呼んでたでしょ?」


My子は少し驚いたようだったけど
「あー、そうですよ。ワザとですよーだ」
と、開き直って暴露した。




やれやれ。
こんな予想が当たっても仕方がないのに。


やはり先輩と呼ぶことで、My子なりに一線を引いていたのだろう。


「まだ先輩って呼ぶの?」
僕は意地悪く笑ってそう聞いた。




「さぁね。知らなーい」
My子はそう誤魔化が、「ぽん君」に戻るのは分かっていた。





帰りの電車の中、My子からメールが届いた。


「ウチは穏やかで小さい幸せが欲しいだけなんよ。
 それがぽん君じゃないのは分かってるのにな・・・。
 ごめんね。」




ごめんね? ごめんねってなんだ?


僕は電車に揺られながら、その先にスクロールした。