3.5:偶然の悪戯
そもそも僕がW子と会ったのは、偶然の産物だった。
R子から
「ぽん兄のやってる仕事の業界に興味のある友達がいるんだけど」
と、知らされたのがW子だった。
それは丁度、僕がMy子と仲良くなり出した後で
そろそろ紅葉も間近、という時期だった。
何度かメールのやり取りをし、
仕事絡みの用件をほぼ終えたのが11月半ばの事だった。
それ以降もたまにメールのやりとりをし
お互いの色々な話をするようになった。
僕はヨメさんの話やMy子の話をし、W子は彼の話や友達の話をした。
12月になって何日か過ぎたある日
たまたま手に入った資料をW子に渡す必要があったので
直接会って手渡す事になった。
☆
地元に近い駅で待ち合わせをし、僕が仕事を終えた後に会う事にした。
「あたし、小さいから見つけられないかもしれないですよ?(笑」
W子はそうメールで言っていたけど、
すんなり見つける事が出来たのは
僕の想像と実像の差がなかったからではなく
待ち合わせ場所に、他に人が居なかったからだった。
→そもそもあまり想像をしていなかった
「こーんばーんわ!」
僕は雑誌を読んでいたW子に声をかけた。
「あ、こんばんはー」
そうやって、僕とW子は、初めて顔を合わせた。