11:コロンとタバコ

○2月9日:あだち充誕生日(1951年)
      →あだち充ゆでたまご高橋陽一柴門ふみ赤川次郎、サザン、Bz・・・
       なんか同じニオイがしませんか?
  1. +
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060208-00000013-yom-soci 気付くの遅すぎだよ。つか、根本的な原因は文部科学省だろうなぁ・・・



僕が気持ちを素直に伝え
W子がそれに対して頷いた。




一応、お互いの素直な気持ちを伝えあう事は出来た。




だからと言って
急速に距離が縮まったわけでもなかった。


イルミネーションの下で話しをした後も何度か会ったけど*1
クリアする事柄は色々あった。




僕はMy子に対して、まだ何もアクションを起こしていなかったし、
W子の口から「好き」というコトバを明確に聴いたワケでもなかった。





やがてクリスマスの連休が過ぎ、年末がやってきた。


さすがにクリスマス期間に外出する事は出来ないので大人しく家に居たし、
年末年始も「家族としての」お勤めをこなしていた。*2


ケーキを買い、ヨメさんと食べて、大掃除をし、
年が明ければヨメさんの実家へ行って「ダンナ」をしていた。




それでも
時間を見計らってW子とのメールはやり取りしていた。




メールが戻ってくるタイミングや時間帯や内容で
W子が彼とデートしたり、彼の部屋に行っているのは分かっていたし
彼女もそれを隠す事は無かった。




お昼頃に「これから彼と会ってくる」とメールが来て、
夜の11時頃に「ただいま〜」とメールが来れば、


いくら僕だって、どんなデートだったかは想像がつく。












そして、落ち込んだ。






約1週間、休みがあったけれど
今年ほど「休みが長い」と感じた事はなかった。*3


ただ「1週間W子と会わない」というだけならまだ良い。
しかしその間、W子は彼とデートをしているのだ。





年が明け、仕事が始まった。




僕はとにかくW子に会いたかった。
会って、何でも良いから話がしたかった。






仕事始めの日、僕は恐ろしい程の速さで仕事を終わらせ
待ち合わせ場所へ向かった。






いつものお店に入り
いつものカフェオレ。


いつもの席と
いつもの空気。






そんな「いつも」を感じながら
僕はW子を見ながら1週間の空白を埋めていた。






「ホント、お正月が長かった・・・」
そう口を開いたのはW子だった。


休みの間のメールでは、お互い「長いよねぇ」とやり取りしていたが
きちんとW子の口からそういうセリフを聞けるとは思わなかった。




「うん。長かったよねー」


「もうね、途中から彼と会うのも避けてたもん」
W子は笑いながらそう言って、僕の手を取って指を触っていた。




「ホントに〜?」
僕は手の平をW子に預けたまま聞き返した。




「ホントに。だってホントはぽんさんと会いたかったもん」
「うん」
僕は頷いた。




「でもなー。結構ツラかったよ、彼とデートしてる、って思うの」
僕は思わずそう言ってしまった。


あまりそういう事は言いたくなかったけれど、
どうしても言いたくなってしまったのだ。






「ん・・・・ ごめんね」
W子はすまなさそうにして謝ったが、
本当は謝る筋合いの事でもなかった。




実際問題として、W子は彼と付き合っているのだし、
何をしようとされようと、僕は口出しが出来ないのだ。






それでも
「ふーん。そうですかー。へー。」
と素っ気なく言ってしまうのは、僕のココロが狭いからだろう。




ただ、そういう感情を持ち得た事に対して、
自分自身が驚いていた。












・・・僕にも嫉妬心ってあるんだ。








そう思った時、


「あー、やっぱり本当にW子の事が好きになってるんだな」
と改めて実感した。





お店を出て、いつものように手を繋いで散歩をした。




少し歩いて、壁のような場所があったので
そこに寄りかかって立ち話をした。




「さむ・・・・」
W子は真っ白な息を漂わせながらそう言った。






僕はコートのファスナーを開け、W子を抱き寄せ、
その小さいカラダをコートで覆った。




それまで軽く「ぎゅ」っとする事はあったのだが
ちゃんと背中に手を廻して抱きしめた事はなかった。










ぎゅ








「・・・ぽんさんの匂いだ」
W子は僕の胸に顔を埋めてそう言った。




「どんな匂い?」
「コロンとタバコとカフェオレ(笑)」
「ははは、アタリ」
「あとね、ネコの匂い(笑)」
「マジ? 匂いする?」
「・・・うっそ」




僕とW子は、そんな他愛も無い会話を続けていた。




「休みの間ね・・・」
僕はゆっくりと口を開いた。


「ずっと会いたかったんだよ」
僕はW子に廻した手に力を込めてそう言った。






「アタシも・・・・・
 会いたかったんだよ・・・・」


W子は顔を少し上げ
僕の首筋にオデコをくっつけながらそう言った。




きっと、
僕の心臓がドキドキしているのはバレバレだっただろう。






「今日はね、ちゃんと気持ちを伝えようと思ってたの」
W子は、少し姿勢を正して、小さな声で話し出した。






「あたしね・・・・」
「・・・うん」






「ぽんさんの事が好き」
「うん」





W子にそう言わせたのは、色々な事が理由だったと思う。


年末に僕が言った事への返事 とか
休みの間、会えなかった反動 とか
久しぶりに僕と会えた事 とか
自分自身の気持ちの整理 とか


とにかく色々な事だ。




そして、葛藤もあったのだと思う。*4




でも、
W子がきちんと「好き」と言ってくれた事が嬉しかった。






「僕はねぇ・・・・」
「なぁに?」
「W子の事が大好きだよ」


そう言って、僕はW子をくすぐった。






「ひゃっ」W子は驚いて僕を見た。




「いや、シリアスって、どうも堪えられなくってさぁ」
「あははは。アタシもー。ナイスタイミング」
「でしょ?」




「えい!」
W子も僕をくすぐって、二人で笑った。






笑って


僕はまたW子を抱きしめて






W子は僕の背中に廻した手に力を入れた。












そして、






僕は








W子に初めてキスをした。





[独り言] ビニールシートかよっっ

*1:パフェを食べたり、人混みの中に出掛けたり

*2:この記事

*3:こんな感じに

*4:ヨリによって、こんなロクデナシだし