12:その日だけは
○2月14日:ネクタイの日 →バレンタインデーの相乗り(笑http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060214-00000030-sanspo-ent サブタイトルに惹かれるなぁ(笑
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本当の事を話したからといって、全てを語っているとは限らない
■[CROSS LINE] 3:My子からのメールとその後日談■
☆
「誕生日、何か欲しいもんあるん?」
My子から、そのメールを受け取ったのはW子とキスをした数日後だった。
My子とはすでに1ヶ月近く会っておらず、*1
次に会うのは、僕の誕生日の何日か前だった。
会っておらず、というのは正確な表現ではない。
「会おうとしなかった」というのが恐らく正しい
「これと言って無いんだよね。物欲少ないし(笑」
僕はそう返信した。
実際問題として、あまり目立つモノを貰っても、
置き場に困るのが現実なのだ。
「あ、やっぱそうなん?」
それに気が付いたのか、そんな返事が返ってきた。
「ははは。まぁ、、、ねぇ。じゃぁケーキでもゴチしてよ」
僕はそう返信して、後日、お茶をする事にした。*2
しかし、
実際には、お茶をするだけでは終わらなかった。
☆
それはもちろん、年末に僕が決心した
「My子と終わらせる」話をする事だった。
正直なトコロを言うと
終わらせる事自体には何の躊躇も罪悪感も無かった。*3
ただ、
同じ相手に対し、二度目の終わりを告げる事には
少し気持ちが重くなった。
そもそもMy子に対して気持ちを向けさせたのは僕だった。
8年前もそうだった。
そして8年経った今もそうだった。
8年前はN子が居て、*4
8年経った今はW子が居る。*5
当事者の僕が言うのもおかしな話だけど
つくづくMy子はツイていない。
ただ、
ここで僕が迷っても仕方ない事だった。
「ちょっと、鬼になってきます」
僕はW子にそうメールをして、My子との待ち合わせ場所に向かった。
☆
「なんか、すっごい久しぶりやなぁ」
My子の第一声はそれだった。
・・・ほんと、久しぶりだ
僕はつくづくそう思いながらMy子の顔を見た。
その表情には、
久しぶりで嬉しい という感情よりも
ちょっと何かを気に掛けている という雰囲気が強かった。
でも、それもムリが無かった。
考えてみれば、W子と仲良くなり出してから、
My子とのメールの回数もガクっと減ったし、
内容も当たり障りの無い物になっていたのだ。
僕も、メールをしていて
「なんか素っ気ないよなぁ」と思いつつも、
それを改める気にはならなかった。
多分、何か勘付いてはいるんだろうな・・・
喫茶店でケーキを食べながら僕はそう思った。
当たり障りの無い話をしていたけれど、
僕はうまく笑ったりする事が出来なかった。
「よし、今だ。今から言うんだ」
何度もそう思ったけれど、
その度にMy子が何か話を初めてしまった。
「あのさ・・・」
僕は
「そうそう、ふと思ったんだけどね」
といった感じの口調で話を始めた。
☆
喫茶店を出て
僕もMy子もコートのポケットに手を突っ込んで歩いていた。
もちろん、寒かったから というのもあるけれど
ここで手を繋いで歩いても、何の意味も無い事だった。
ハナシ自体は恐ろしくスムーズに進んだ。
手間取るかな?*6
と思っていたので、僕は少し拍子抜けをした。
だからといって簡単だったワケでも無いし
My子が流した、一筋の泪が軽いものだったとは思わない。
「いつまでもダラダラこんな関係ってワケにもいかんもんな・・・
とは思っとったし、キッカケが出来て丁度えかったんよ」
My子はそう言ったけど
恐らくそれは本心ではないだろう。
もちろんW子の事は何も言わなかった。
でも、ウソをついたワケでもなかった。
ただ、全てを話していないだけで、本当の事は喋った。
☆
My子と駅で別れた後、僕がノー天気だったかというと
そんな事は無かった。
僕にだって凹む時はある。
その凹みは、
My子に別れを切り出した事に対して というよりは
自分自身の悪辣さに対して の方が強かったかもしれない。
でも、凹むのは「その日だけ」にしようと決めていた。
お風呂に入って、寝て、起きたら
いつもの自分に戻っていよう。
そう決めていた。
僕が凹んだままだと、W子だっていい気はしないだろうし
それが重荷になられても、僕の本意ではない。
そして、
僕は
その日だけは凹む事にした。
☆
[独り言] 「今日は楽しいバレンタイン♪」このコトバは男性と女性、どちらに敵を作るんだろう