13:ありがとう

○2月16日:佐伯日菜子 誕生日(1977年)
      →ホラーな子だよなー。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060216-00000204-yom-soci あはははは。講師の私物だったんだ(笑
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060216-00000005-oric-ent 主演女優はともかく、内容は僕も満足。
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060216-00000050-nks-ent ほー



「少し・・・・疲れてる?」
W子は僕の髪の毛を触りながらそう言った。






My子に終わりを告げた翌日、
僕はW子といつもの喫茶店に来ていた。








「ん? そんな事ないよ。大丈夫」


僕はニコっと笑って答えたけれど
少し体力を使ったのは本当の事だった。




「大丈夫だけど、やっぱちょっと疲れてる、かな?」
「うん・・・」






W子は僕の手を取り、
指を摘んだり、手の甲をつねったりして遊んでいた。






「アタシが言うのはスジじゃないかもしれないけど・・・」


やがて、何か決心したようにW子は話し始めた。








「うまく言えないけど、ホントにありがとう。
 アタシがゴメン、って言うのは何か違うよね?」


そう言ってW子は僕の目を見た。






「どうなんだろう。まぁ「ゴメンね」よりは「ありがとう」の方が嬉しい、かな」
僕はそう答えた。






僕がW子に頼まれてMy子と終わらせたのならば「ゴメンね」になるのだろうが
僕は自分の意志で、誰に頼まれたわけでなく決めた事なのだ。


だから「ありがとう」の方が正しいのだろう。






「まぁ、ちょっとオニだったけどね」
僕はそう言って笑った。






「うん。でもぽんさんの「オニ」は、アタシと半分こだからね」
そう言ってW子も笑った。






僕はW子のその一言がとても嬉しかった。
そっか、「はんぶんこ」か。






「うん。ありがとう」
僕は素直にお礼を言った。






W子は僕の手を持ったまま、話を続けた。


「どう言えば良いんだろう。
 My子さんと終わらせるって言ってくれたのも嬉しかったし
 それをちゃんと実行しれくれたのが、すっごく嬉しいの。
 ホントに、ありがとう」


そう言って、僕の手を強く握った。






「うん」僕はW子の手を握り返した。






「改めて・・・・」
僕はそのままコトバを続けた。




「改めて?」
W子は僕の方を見て、聞き返した。








「改めて、よろしくね」
僕は照れながらそう言った。


「うん。アタシこそ、これからもよろしくね」
笑顔でW子はそう答えた。





「○日なんだけど、アタシ、空いてるよ」
それは僕の誕生日だった。


「わざわざ空けてくれたの?」僕はビックリして聞き返した。




「うん。まぁ用事もあったんだけど・・・・」
「へへ。なんか、嬉しいなぁ」




考えてみれば、
結婚してからは誰かに誕生日の当日にお祝いされる事なんて無かった。




もちろん、それは色々な理由がそうさせたのだろうけど、
僕自身がなんとなく避けていた、というのもある。




つまり、リスクを回避するため、というか。




でも、その時の僕は、もちろんリスクも考えたが
最小限のリスクで済むようにアタマを回転させた。




何時までなら問題ないだろう とか
ケーキを食べるなら、お昼は少なくしておこう とか
会う場所はいつもと同じ街じゃない方が良いな とか


そういう事を考えた。





「ずっと渡しそびれてたんだけど・・・」
僕の誕生日当日、W子が取り出したのは、幾つかの袋だった。




「これがね、クリスマスのピアスのお返し」
そう言って、袋を一つ。




「で、こっちがオマケ」
そう言って、袋をもう一つ。






「で・・・ これがお誕生日」
そう言って、最後の袋を僕に渡した。






「ありがとう」
まさかクリスマスの分まで貰えるとは思っていなかった。




小さくてかわいいラッピングを開くと
そこには、貴石がぶら下がった小さなピアスが入っていた。




「へー。○○だ」*1
付けてみるとちょっと重いけれど、良い感じだった。




「どう?」
僕は左耳をW子の方に向けて感想を聞いた。




「うわぁ・・・ なんか、、、イイ(笑」




「えへへ。ホント? 嬉しいなー」
「でも、ちょっと大きかったかなぁ」


確かに僕が普段使っているサイズに比べると大きかったけれど
別におかしくは無かったし、伸びた髪の毛とのバランスも良かった。




「んー、髪の毛を切ったら、しばらくはお休みかも(笑」
そう言って僕は笑った。




「問題は・・・」
僕は少しマジメな顔をしてW子の顔を見た。




「ヨメさんに何と言うか、だ」
「あはははは。そうだ、何て言うの?」
「ふふん。それは秘策があるんだよ」
「秘策?」
「うん。ピアスをさ、自分で幾つか作って、その中に混ぜちゃうの」*2
「うっわぁ・・・ アクマだ、やっぱ」
W子は笑いながらそう言った。




ヨメさんは僕のピアスをほぼ覚えているので
違うピアスを見つけたら、何というか分からないのだ。


しかも僕はほとんどピアスを買う事が無い。




だから、作るか貰うかしないとピアスが増えていかないのだ。





結局、その日はあまり長居する事無く、バイバイをした。
ケーキもなるべく小さい物にした。


僕はケーキが好きだけど、
一日に2個食べるのはそれでもキツいのだ。






さすがにその日はヨメさんがケーキを買ってきているだろうし
あまりお腹を膨らませるわけにもいかなかった。






家に帰ると、案の定
ホールから切り分けた、大きいケーキが僕を待ちかまえていた。






やれやれ。
僕の好みは小さいケーキなんだけどな・・・










そう思いながらも、きちんとケーキは味わう事にした。*3





[独り言] 「どこの馬の骨」はやはりベタかー。見慣れるとベタ子かわいい

*1:貴石の名前

*2:貰ったピアス」参照

*3:寝る前に胃薬飲んだけど