14:よろしく

○2月21日:漱石の日
      →早稲田の夏目坂は、漱石の父親が勝手に名付けた。
  1. +
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060221-00000065-nks-ent 金の出どころは、日本人中年女性・・・



「どういう関係なんだろ、結局」






僕は見慣れない天井を見上げながら、
隣で同じように天井を見上げているW子に聴いてみた。








「ね。アタシもうまく言えない」
「彼と彼女、じゃぁないもんねぇ」*1
「うーん・・・ 難しい」
「じゃぁ恋愛してる相手、ってのは?」
「あ、それ良いかも」





僕の誕生日から数日が経ったその日、












僕はW子を抱いた。










「なんとなくそうなった」わけではなく
年末頃からお互いが望んでいた事だった。






「除夜の鐘、ダメだね。108煩悩が追加されてくよ(笑」
「あはは。アタシもー。溜まった煩悩、ぽんさんに任せるね(笑」


そんなやり取りをしていた。






ただ、僕はMy子の件があったから
それをクリアにするまではW子を抱こうとはしなかった。








クリアになって
もう一度お互いの気持ちを確認しあい*2








ひとつひとつ






何かを確認するように




僕はW子の全身にキスをした。





そんなキスの何時間かあと、
二人で天井を見上げながら「どんな関係なんだろう」


と僕は口を開いたのだ。








「でもね、アタシ、ぽんさんが結婚してて良かった、って思ってる」
「なんで?」
「奥さんがいるから、歯止めが効いてるんだと思うの」
「あー、なるほどねー。そういう意味では僕もそうかな」
「そういう意味?」
W子は僕の方に不思議そうな顔を向けた。




僕はW子の方にカラダを向けた


「彼が居る、って思ってるから良いバランスでW子の事を好きなんだと思う。
 もし彼と別れちゃったら、暴走しちゃうかもしれないし(笑」


「アタシもそうだと思う。奥さんいなかったら、きっと彼と別れちゃう(笑」






どんな関係 というのは
客観的に見れば、僕は「不倫」だし
W子は「浮気相手」なのだろうけど、


あまりそうは思いたくなかった。








実際問題として
僕はW子の事がとても好きだし
W子も僕の事をとても好きでいてくれた。






僕にとってヨメさんは「家族」だったし
W子にとって彼は「彼氏という存在」だった。




こういうのを「不毛」とか「詭弁」と言うんだろうか?
そう思ったけど、それは口に出さなかった。






結局、「どういう間柄」という固定はせずに
「愛情を傾けている相手」ってのはどう?




といった感じに落ち着いた。





「でも、ホント、こうなるとは思わなかったなー」
暫くしてW子はそう言った。




ホント、僕もこうなるとは全く予想が付かなかった。




そもそも知り合ったのは仕事絡みで
その時は僕はMy子と仲が良くて
W子は彼とそれなりに上手くいっていた。








でも、たった一度、
たった一度の喫茶店でのお喋りが、




まさかココまでの事に発展するとは思わなかった。








今までの事と比べるワケではないが


K子の時も、I子さんの時も、N子の時も、My子の時も
基本的には「現状維持」を崩すことは無かった。






つまり、ヨメさんが居て、それにプラスαの関係を望んでいた。




月並みな言い方をすれば
「家庭を壊す気はない」となるのであろう。










でも。










でも、
仮の話として










何年か先






隣に居るのが「ヨメさん」ではなく「W子」でも良いのかな。
と思ってしまったのは確かだった。






積極的にそう思ったのではなく
「結果としてそうなっていても」という消極的な考えではあったけれど。






それでも、今までの
「やれやれ、そこまでは望んでいないんだけどなぁ。困ったもんだ」
という考えは僕の中に無かった。








もちろん、
そう思ったのは「今」だからかもしれないけれど


僕がそこまで思考を進めた事に対して
自分自身が一番驚いていた。














「この先さ・・・」
僕はベッドの中で、W子のカラダに手を廻しながら呟いた。




「どうなるか分からないし、まぁ色々あるだろうけど・・・」
「うん」




「まぁ、なんつーか、よろしくね」
「うん。
 アタシもどうなるのか分からないけど、いっぱいいっぱい楽しみたい♪」
















そして、僕たちは もう一度キスをした。










幾つかのココロが交わって


幾つかのキモチが消え去っていったけれど


この先だって何がどうなるか解らないけれど


僕なんてロクな人間じゃないけれど










それでも
今、僕はW子の事が好きだ。





[独り言] リハビりゃぁど

*1:W子には彼が居るし、僕にはヨメさんが居るし

*2:預けていた牙も返してもらい(笑