10・別れ話

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いろいろな意味で「さすが○○」と言っておきましょう
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バカ続報
■今日のアクマ■

「昨日」
青春の幼年時代。成年の青春時代。老年は過去の全て。

引用:新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)



W子とカレは、長い付き合いだった。


長い付き合いというのは、倦怠と惰性が付きまとう。
これは「必ずそうだ」とは言えないが、かなりの確率で起こりうる事だろう。




結婚するまで「長い付き合い」が無かった僕ですら
倦怠や惰性などと仲良くしていたのだ。




お互いが倦怠感や怠惰感を同じように持っていれば、
そこで各々を見つめ直して元通りになる事もあるし、
そのまま大したトラブルもなく、関係が消滅することもあるかもしれない。




でも、往々にしてそんな都合の良い事はなかなか起きず、


W子とカレの場合も、
「どちらかが不満を持っているが、片方は全く気付いていない」
という状態だった。





そもそも、僕がW子と知り合う前、
カレの他にも仲の良い同い年の男の子が居た。




フツーに仲が良い、という以上の。


その男の子には彼女が居たので、つまり、お互い浮気の関係というわけだ。




僕より年上のカレを持つ年上好きなW子が、
なぜ同い年の男の子に興味を持ったかは分からない。
たぶん、物珍しさと興味本位と新鮮さが入り混じった感情だったんだろう。
それでもきちんと「好き」という感情が芽生えてたのは、恋愛の不思議な部分だと思う。




僕が知り合った頃には、その男の子とは疎遠になりつつある時で、
W子は「彼氏にも少し不満・浮気相手にも不満」みたいな状態だった。


そこへ僕が調子よく割り込んだというわけだ。




ただその時、僕はまだMy子と仲が良かったし
最初は「割り込もう」と思っていたわけではなかった。





W子がカレに別れ話を切り出したのは
色々な事情が重なっての事だった。




僕と会っている方が楽しくなってきた とか
僕がMy子との関係を終わらせた とか
カレの安心しきった態度が気に入らない とか
間違っていても決して謝らないカレの性格 とか




そして
SEXをしたい時だけ異様に優しくなるところ とか。




もちろんそんなカレだから
W子が髪型を変えたり、ペティキュアをしていたりしても気が付かない。






極めつけは
時間があまり無い時にカレがSEXに誘ってきたので
「あまり時間無いんじゃないの?」というW子の問に
「ん、そうなんだけど、そろそろしたくなったからさ」という答えだった。




したくなったから、アタシに優しくするの?
したくなったから、アタシを呼び出したの?
そこに、「W子としたい」という気持ちは無いの?




そろそろしたくなったから
W子はその一言に傷ついて、哀しんで、カレに対する気持ちが完全に冷めた。





僕はその話を聞いて、カレに対して腹が立ったし、
当然、別れるように奨めた。


そして同時に
「僕もU子に対して、そうだったんじゃないかなぁ」
と自省もした。






W子は、春先のある日、


カレを呼び出して別れを告げた。





[独り言] マンガと寺からトンボ帰り