10・別れ話
http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_10/g2006100305.html いろいろな意味で「さすが○○」と言っておきましょう http://www.zakzak.co.jp/top/2006_10/t2006100411.html バカ続報
■今日のアクマ■
「昨日」
青春の幼年時代。成年の青春時代。老年は過去の全て。
引用:新編 悪魔の辞典 (岩波文庫)
W子とカレは、長い付き合いだった。
長い付き合いというのは、倦怠と惰性が付きまとう。
これは「必ずそうだ」とは言えないが、かなりの確率で起こりうる事だろう。
結婚するまで「長い付き合い」が無かった僕ですら
倦怠や惰性などと仲良くしていたのだ。
お互いが倦怠感や怠惰感を同じように持っていれば、
そこで各々を見つめ直して元通りになる事もあるし、
そのまま大したトラブルもなく、関係が消滅することもあるかもしれない。
でも、往々にしてそんな都合の良い事はなかなか起きず、
W子とカレの場合も、
「どちらかが不満を持っているが、片方は全く気付いていない」
という状態だった。
☆
そもそも、僕がW子と知り合う前、
カレの他にも仲の良い同い年の男の子が居た。
フツーに仲が良い、という以上の。
その男の子には彼女が居たので、つまり、お互い浮気の関係というわけだ。
僕より年上のカレを持つ年上好きなW子が、
なぜ同い年の男の子に興味を持ったかは分からない。
たぶん、物珍しさと興味本位と新鮮さが入り混じった感情だったんだろう。
それでもきちんと「好き」という感情が芽生えてたのは、恋愛の不思議な部分だと思う。
僕が知り合った頃には、その男の子とは疎遠になりつつある時で、
W子は「彼氏にも少し不満・浮気相手にも不満」みたいな状態だった。
そこへ僕が調子よく割り込んだというわけだ。
ただその時、僕はまだMy子と仲が良かったし
最初は「割り込もう」と思っていたわけではなかった。
☆
W子がカレに別れ話を切り出したのは
色々な事情が重なっての事だった。
僕と会っている方が楽しくなってきた とか
僕がMy子との関係を終わらせた とか
カレの安心しきった態度が気に入らない とか
間違っていても決して謝らないカレの性格 とか
そして
SEXをしたい時だけ異様に優しくなるところ とか。
もちろんそんなカレだから
W子が髪型を変えたり、ペティキュアをしていたりしても気が付かない。
極めつけは
時間があまり無い時にカレがSEXに誘ってきたので
「あまり時間無いんじゃないの?」というW子の問に
「ん、そうなんだけど、そろそろしたくなったからさ」という答えだった。
したくなったから、アタシに優しくするの?
したくなったから、アタシを呼び出したの?
そこに、「W子としたい」という気持ちは無いの?
そろそろしたくなったから
W子はその一言に傷ついて、哀しんで、カレに対する気持ちが完全に冷めた。
☆
僕はその話を聞いて、カレに対して腹が立ったし、
当然、別れるように奨めた。
そして同時に
「僕もU子に対して、そうだったんじゃないかなぁ」
と自省もした。
W子は、春先のある日、
カレを呼び出して別れを告げた。
☆
[独り言] マンガと寺からトンボ帰り