えせ人権その2と憲法14条
昨日の記事の補足
そもそも、この法案が動き出したのは
「結婚していない日本人男性とフィリピン人女性から生まれた後、日本人男性に認知されたフィリピン国籍の子どもが、
両親が結婚していないことを理由に日本国籍の取得が認められないのは違憲」として、日本国籍を求めた裁判の最高裁判決で、
「父母の婚姻を国籍取得の用件とする国籍法の規定は憲法14条が保障する「法の下の平等」に反する」
として国籍が認定がされ、それにより「国籍法」は「憲法違反」と扱われたからなのです。
ここで問題になるのは「憲法14条」なのですが・・・
次にDNA鑑定を認めない立場である公明党の意見。
「外国籍の子どもにDNA鑑定を実施することは外国人に対する不当な差別につながり、
憲法14条の「法の下の平等」に反する疑いがあります。
加えて届け出の窓口ではDNA鑑定の真性を審査する能力がありませんし、
鑑定費用の負担が、届け出人によっては正当な国籍取得の障害となる場合もあります」
ここでも憲法14条です。
また、DNA鑑定の義務付けに否定的な民主党かどっかの人の意見。
「日本人同士の場合はDNA鑑定など無いのに、外国人だとDNA鑑定があるのはバランスに欠く」
とかなんとか。
☆
憲法14条とは、
「すべての国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により
政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」
というものです。
ここで初歩のおさらい。
憲法は「日本国憲法」であって「日本国籍を有する者」に対しての憲法です。
つまり、14条で謳っている「国民」は日本国民、つまり日本国籍を持っている人の事なのです。
簡単に言えば、「日本国籍を持ってる人は平等だよん」って事です。
だから、
日本国籍を持っていない人・これから日本国籍を取ろうとする人には当てはまらないのです。
つまり、この最高裁判決(裁判長・島田仁郎)自体が、憲法を無視した内容なんです。
というか、ワザと知らんぷりしてるワケです。
テレビなどでコレをニュースにする時は「国籍法は違憲として判断された問題で」という言い出しで始まってますが
それはこの法改正を正当化したいからで、決して14条を無視した判決だった事を伝えようとはしません。
また、あれだけ与党のする事に反対する野党も、諸手をあげて賛成しています。
ごく一部の超党派の方々だけが反対・もしくはDNA鑑定の義務付けを訴えているだけです。
正直、薄ら寒いですよ、この状況。
一体、この法改正で喜ぶのは、何処の誰だ、って感じっす。
☆
先に書いた公明党の見解は論理が破綻しているので
「差別」という言葉に騙されてはいけません。
「外国籍の子どもにDNA鑑定を実施することは外国人に対する不当な差別につながり」
とあるけど、一体何がどう「差別につながる」のかが分からない。
出生を明らかにし、父親が日本人だ と立派に判明すれば差別なんて起きないだろう。
逆に灰色のままの法が陰口を叩かれると思うんだが。
「憲法14条の「法の下の平等」に反する疑いがあります」
まだ日本人じゃないので、一切反しません(笑
「届け出の窓口ではDNA鑑定の真性を審査する能力がありません」
しかるべき機関で検査を行えば良いだけの事。
窓口で全部やる必要はない。
「鑑定費用の負担が、届け出人によっては正当な国籍取得の障害となる場合もあります」
これ、意味がわかんないんだけど、金が無いから負担出来ない って事?
鑑定の金額がどのくらいか分からないけど、国籍を求めるのならば費用は掛かったって当然じゃない?
パスポート取るのだって金が掛かるんだし、クルマの免許だって金が掛かるんだぞ。
そもそも、そのくらいの費用負担が出来なくて、国籍を取った所で物価の高い日本で暮らせるとでも?(笑
「バランスを欠く」と言った人の理論も筋が通ってない。
日本人同士の間なら最初から日本国籍同士なんだから、国籍を与えるのにDNA鑑定の必要はない。
もし必要なのだとしたら、それは「両親の子どもか否か」を調べる場合である。
外国籍の子どもにDNA鑑定を行うのは、確かに日本国籍の父親を持つ事を確認する必要があるからで、
DNA鑑定を行う事こそ、本来は「バランスが取れる」事なのだ。
☆
つかね、国籍欲しけりゃ結婚すりゃ良いだけの話なんだよ(笑
それが一番の近道だし、親子揃って暮らせば良い事じゃん?
両親は結婚したくない
でも、子どもには日本国籍を与えたい
ってのは、ちぃと虫が良すぎる要求だと思うワケです。
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ちなみに、
在日韓国人や在日朝鮮人にも憲法14条は適応されません。
だって国籍は韓国・北朝鮮なんですから。
☆
☆追記:4日の参議院での採決の様子☆
澤 雄二(法務委員長・公明党): 別にご意見も無い様ですから
丸山和也議員(自民・弁護士):(挙手して)丸山ですが
千葉景子議員(民主):(横から)ちょっと
丸山議員: 法の趣旨ですが(と言いかける)
千葉議員: 座れ! (と遮る)
自民以外の議員: 理事会で決まってるんでしょ
民主党議員: なにしてるんだ、自民党は
千葉議員: 座れ!
澤委員長: 速記とめてください
丸山議員: 周知徹底される様な付帯決議のですね (と言いかける)
自民党以外の議員: 自民党どうするんですか? 国対委員長!
千葉議員: もう帰れ!
自民党以外の議員: 理事会で決まってるでしょう
自民党以外の議員: 国対委員長!
澤委員長: 申し訳ございません
自民党以外の議員: しっかりしてくださいよ委員長
■要約■
澤委員長が審議を終わらせようとすると、丸山議員が意見を言おうとする。
それに対し千葉議員が発言を遮り、座れと怒鳴る。
外野は「もう採決する事で決まってんじゃないの?」とヤジを飛ばす。
澤委員長は速記を止めさせ、このやり取りを議事録に載せないように配慮。
丸山議員は付帯決議、つまりDNA鑑定やらの事を言おうとすると、
千葉議員から「帰れ」と言われる
そして「別にご意見も無かった」事にされ、採決。
☆
澤雄二(沢ゆうじ)
・元フジテレビ社員。
・高校在学時に創価学会の学生部門「鳳雛会・鳳雛グループ」で池田大作の薫陶を受ける。
千葉景子
・元社会党。
・戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案を福島瑞穂らと一緒に提案。
・「在日韓国人政治犯釈放の要望書」に署名。
・朝鮮半島問題研究会顧問。
・在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟呼びかけ人。