ボタン

 34・オマケ

さて。 やっと書き終える事が出来ました。 つか、正確には「むりやり書き終えた」んですけど(笑 だって、こんなに長引くと思わなかったしさぁ。 さっくりとケリつけて、さっくりと書き上げるつもりだったんだけど、 もう、途中からグダグダ(笑 オマケに書く…

 33・その「あと一歩」

□2008年6月□ 今、現在 そのメロディーはいつものように僕を混乱させた。 いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。 ・・略・・ 僕は顔を上げて北海の上空に浮かんだ暗い雲を眺め、自分がこれまでの人生の過程で失ってきた…

 32・甘さ

□2008年4月□ 「そういえば保育園の申し込みはどうなったの?」 僕は、申し込みだけしてその結果を言ってこないヨメさんにそう聞いた。 ヨメさんは仕事を始めるために保育園の申し込みをしていた。 本来ならば以前働いていた会社に復帰するはずで、その手筈も…

 31・報告

□2008年3月□ 「結局、何も変わってないじゃないですか」 K子がそう言ったのは間違いではなかった。 それは表面上の事もそうだし、内面の事もそうだった。 ヨメさんに対し「離婚」の話を出してから1年。 僕の生活環境は何も変わっていなかった。 そして「ぽん…

 30・せめてもの事

□2007年6月・2□ P子の一歳の誕生日から数日経ったある日、 僕はヨメさんともう一度話し合う事にした。 ☆ 「どう? 少しは何か考えが進んだ?」 僕がそう言うと、ヨメさんは少しかしこまって 「少し時間を貰って良いですか?」と答えた。 時間? と僕が聞き返…

 29・一つの区切り

□2007年3月・6□ ヨメさんと話をした翌日、僕は普通に起きて、普通に居間に行った。 ヨメさんは少し寝不足な雰囲気だったけど、至って普通にしていた。 僕は遅い朝食を摂り、コーヒーを飲んだ。 普通に会話をして、普通に買い物に行った。 それは至って普通の…

 28・ボタン

□2007年3月・5□ 「じゃぁ、すぐにでも出て行けって事?」 ヨメさんは少し冷静になったようで、「その後」の事を聞いてきた。 「いや、そうは言ってないよ。すぐには無理でしょ、どう考えても」 僕は少し笑いながらそう言った。 「そうしたら、暫くは住まわせ…

 27・待っている人

□2007年3月・4□ 「そういう事じゃないんだ」 「じゃぁ、どういう事?」 ヨメさんはそう聞き返した。 僕は下を向いて自分の手を見つめながら息を整えた。 「離婚」 「え?」 「離婚、した方が良いと思ってる」 僕はそう言ってヨメさんの方を向いた。 「なにそ…

 26・カミングアウト

□2007年3月・3□ 「結婚して6年以上経つけど、お互い思っている事って伝えあってないよね」 ヨメさんは無言のままだったので僕は言葉を続けた。 「お互いさ、表面だけで接してきたんじゃないかな」 僕はそう言いながら、指輪の話が違う方向に進んで行く事を予…

 25・指輪 2

□2007年3月・2□ もう、指輪なんて要らないんだ。 僕のその考えは、諦めでもあると同時に開き直りでもあった。 今更、何を取り繕おうと無くなったモノは仕方ないし、 いちいち弁解する気にもならなかった。 家に帰ると僕はヨメさんに指輪を落としたことを伝え…

 24・指輪

□2007年2月・28□ 「ところでさ、父さんと母さんはいつ頃から仲が悪かったの?」 「そうねぇ、最初からかな」母親は少し考えながらそう言った。 「最初から?」僕は驚きもせず、聞き返した。 「そう。最初っから。結婚した時から、あの態度が気に入らなかった…

 23・両親

□2007年2月・27□ 「帰るなら送っていくけど」と父親が母親に言ったのだが 案の定、母親は「結構です」と強い口調で断った。 やれやれ、やっぱり始まったよ・・・ 僕はため息をついて仲裁に入った。 父親は「どうせ帰り道だし乗ってけよ」みたいな事を言って…

 22・振り出し

□2007年2月・26□ お昼過ぎに目を覚ますと、体は重いままだったが、それなりにスッキリした気分だった。 僕はリビングに行き、遅い朝食を食べコーヒーを飲んだ。 ヨメさんは昨夜の事については何も言わず、その態度が少し不気味だった。 おそらく、何か尋ねた…

 21・涙

□2007年2月・25□ 「うー、寒い」 僕とK子は妙に空気の澄んだ駅のホームに立っていた。 朝日が当たった部分だけは暖かかったが、全身が凍るような寒さだった。 「今日はありがとうね、話を聞いてもらっちゃって」 僕は寒さで充血した目でK子を見ながらお礼を…

 20・執着

□2007年2月・24□ 「彼女さん、ものすごくご両親に愛されて育ってますね。 何か思い当たる事はありませんか?」 「ある。彼女の家に行った時にね、リビングに家族の写真が飾ってあった。 4人で写ってるヤツや各々のヤツとか」 僕はその写真を思い出しながらそ…

 19・失われた機会

□2007年2月・23□ 僕は選択した結果がどうであろうと 「それを選択した意志」を大事にする傾向があった。 つまり、走り出したら止まらないのだ。 途中で間違っているかもしれない事に気が付いても 「いや、もう決めた事だし」となってしまうのだ。 それが僕の…

 18・同情

□2007年2月・22□ 「んー、やっぱり厄介ですね、ぽんさんは」 そう言ってK子は僕の手を取った。 「そうかなぁ」僕は笑いながらそう言ったけど、K子は真剣なままだった。 「第三者って事は一種の別人格みたいなものじゃないですか?」 「二重人格って事?」 「…

 17・トラブル

□2007年2月・21□ そう考えると、 高校時代のトラブルにも納得が行くような気がした。 おそらく、 僕は知らず知らずのうちに、周りを見下していたのだろう。 ☆ 僕が通っていた高校というのは、 その時代の例に漏れる事なく、無気力を絵に描いたような学校だっ…

 16・利用価値

□2007年2月・20□ 僕は思いつく限りの昔話をK子に向かってしていた。 一通り聞き終えたK子は改めて僕の目を見た。 「ぽんさん、お友達と仲は良かったですか?」 「友達? そうだなぁ、高校の頃はともかく、中学の時は仲が良かったよ」 「でも、ぽんさんはその…

 15・記憶

□2007年2月・19□ 「愛され方も知らないぽんさんが、愛し方なんてわかるわけが無いじゃないですか」 そう言ってK子は僕を見た。 「ぽんさんの穴はソコなんです」 そう言ったK子は、僕の胸に人差し指をくっつけた。 「ご両親に愛されていないと指摘されても、…

 14・愛し方、愛され方

□2007年2月・18□ 会社の鍵を開けセキュリティを解除すると、僕とK子は会社の中に入った。 「今、暖房つけるから」 僕はそう言って暖房のスイッチを入れた。 「ふぅ」 僕はため息をついて椅子に座り、K子にも椅子を勧めた。 日中は電車や車やFMの音でザワザワ…

 13・朝まで過ごす場所

□2007年2月・17□ 「だからこそ、彼女さんはぽんさんと別れたんじゃないんですか?」 K子はそう言って、シッカリと僕の目を見据えた。 「どうなんだろ」 僕はあやふやに答えたけれど、きっとそうなのかもしれなかった。 W子が、僕の行動をどう受け止めていた…

 12・自己保身

□2007年2月・16□ 「結局、ぽんさんは自分自身が一番大事なんですよ」 K子はハッキリとそう言った。 まぁ、そうだろうな・・・ 僕は素直にそう思った。 僕は基本的に 「自分自身がしっかりしていないと、何も出来やしない」とか 「僕自身が満たされないで、他…

 11・リスクと本気

□2007年2月・15□ 「それで、結局のところ、ぽんさんはどうしたいんですか?」 「どう って?」 「今後の事とか」 ケーキもとっくに食べ終わって、飲み物も無くなった頃、 K子はそう聞いてきた。 「うん。離婚、かな、色々と状況を考えると」 「そうなんです…

 10・不信感、信頼感

□2007年2月・14□ 「ぽんさん、自分で全部決めちゃうでしょ?」 K子がそう言ったのは、色々な事柄に対してだった。 「どうだろ」 僕は過去を思い出してみたけれど、ハッキリとは思い出せなかった。 「相談とかした事あります?」 「あまりない(笑」 ☆ 僕は確…

 9・高い壁

□2007年2月・13□ 「ぽんさんは、その穴を自分自身の力で塞がなくちゃダメなんです」 K子はそう言って僕を見た。 「穴、ねぇ・・・」 僕は自分に大きな穴があるという実感がまったく沸かなかった。 そもそも、 穴と言われても何のことか僕にはサッパリ分から…

 8・姑息

□2007年2月・12□ そもそも6年前、K子と仲良くなった理由は、 彼女のちょっと特殊な能力?が原因だった。 詳しくはここで書くつもりは無いが、 その能力と話題の内容は、十分に僕の興味を惹きつけた。 だからこそ、知り合った当時、時間を忘れて話し込み、 気…

 7・大きな穴

□2007年2月・11□ ケーキでも食べて、チョコを貰って、バカ話をしよう。 そう思っていたけれど、 逢った事により、物事はもっと深い迷路の中に迷い込んで行った。 K子と会ったその週末、 僕は、結婚してから二度目の朝帰りをした。 ☆ 「ぽんさん、全然連絡く…

 6・消極的な結果

なぜ、今回「ボタン」という単語を「結婚」に当てはめたかというと、 他に良い例えが思い浮かばなかったからだ。 ☆ どっちがボタンでどっちがボタンホールでも良いんだけど、 ボタンとボタンホールがセットになって、初めて「ボタン」の存在意義がある。 で…

 5・気分転換

□2007年2月・10□ 離婚しよう そう思っても、なかなかその第一歩を踏み出す事が出来なかったのは、 幾つか理由があった。 その最も大きなモノは 「W子とやり直したいから離婚する」 という僕の心境だった。 ☆ 僕は、その考え方が間違っている事を分かっていた…